ハン ウントー
Fan Yuntao
范 云涛 所属 都市創造学部 都市創造学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 1994/11 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 「戦後農地改革の実施過程へのアプローチ---占領初期の経済民主化はいかに行なわれたのか---」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 京都大学法学会『法学論叢』 |
巻・号・頁 | 136巻2号 |
概要 | 前掲の修士論文『農地改革法制定の政治過程---GHQと日本政府との相互関係を中心に---』において得られた成果を踏まえて、さらに農地改革の行政執行過程を史料に基づいて解明しようとしたのが本論文である。農地改革の立法は戦前にできた「農地調整法」の改正に自作農創設措置の特別法を組み合わせた形態を取っており、これが農村社会の「無血革命」と言われるほど地主と小作農階層間の熾烈な戦いが深刻化せず、ほぼ計画どおりスムーズに実施できた理由はどこにあるのか。このような問題意識を元に改革当時の当事者の日記やインタビュー、議事録、GHQ機密ファィル等の一次史料を丹念に調査し、改革の実態を検証する作業を試みた。具体的には改革実施途上に土地権利紛争の典型的な事例として、政府による解放農地の買上げ対価の決定を焦点に、新潟県下にある五つの町村をサンプリングし、そこでの紛争を克明に跡付けた。左翼政党を支持する農民組合運動の活発化が買収価格の引き下げ要求となって激しく噴出したので、GHQと農林省は困惑と焦りを感じ、結局占領軍の協調介入が功を奏して、新潟県農地局が包括的な解決案をまとめた。 |