ナカマス ヨウコ
NAKAMASU Yoko
中益 陽子 所属 法学部 法律学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2021/10 |
形態種別 | 学術雑誌 |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 社会保障制度における個人単位と世帯単位―年金制度を中心として― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 年金と経済 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 年金シニアプラン総合研究機構 |
巻・号・頁 | 40(3),26-34頁 |
総ページ数 | 9 |
概要 | 社会保障制度の対象者を個人単位と世帯単位のいずれで構築すべきかについては、それぞれの根拠を整理・分析することが不可欠である。この点、個人単位の根拠としては、制度を世帯や男女に中立に機能させるべきとの公平感や就労調整等への影響の小ささ等が主張される一方、家族を有するか否かは扶養義務を介して負担能力や要保障性に違いを生むことから、世帯単位は再分配を勘案した制度設計に親和的である。生存権が自由権保障をベースに構築され、これが各人の負担能力等を構築する構造に鑑みれば、このうち世帯単位の根拠となる原則を個人単位のそれよりも優先させる制度設計は、社会保険制度でも首肯される。また、とくに労働者に関しては、事業主に対するその交渉力の弱さ(つまり、賃金に家族扶養分を含めることが実際には難しい)に鑑みて、事業主負担を通じて、労働者により有利に再分配を行う労働者保護の趣旨も考慮されよう。 |