ウエダ ヒロミ
Ueda,Hiromi
上田 廣美 所属 法学部 法律学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 1998/11 |
形態種別 | 論文その他 |
標題 | 「EU企業の事業所閉鎖に対する欧州労使協議会の機能とその問題点~ルノー事件が示唆するもの~」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『国際商事法務』 |
巻・号・頁 | 26巻11号,1159-頁 |
概要 | 欧州労使協議会指令の発効にともない、日系企業を含むEUレベルで事業活動を行う企業の多くが、経営主導型の労使自主的合意にもとづき欧州労使協議機関を設置してきた。最新の事例であるルノー事件は、労使協議機関への事前協議を欠く経営側の工場閉鎖決定の違法性がベルギー、フランス両国で争われたもので、早くも同指令の実効性を浮き彫りにした。本稿ではフランスの第一審判決および控訴審判決を分析し、企業法務の実務の立場から、同指令の運用上の問題点をフランスの企業委員会制度と比較しながら検討を試み、とりわけ労使自主的合意による同指令適用除外と協議の事前性など解釈上の争点を指摘した。たしかに欧州労使協議会では運用上の問題を多く内包する制度であるが、通貨統合とならんで、このような「労使対話」の進展による従業員の情報入手と協議の権利の拡充が、EU市場参加者の平等な競争条件として企業に課せられることは避けがたいと考えられる。 |
ISSN | 0287-7511 |