シブヤ ミツヨシ
SHIBUYA Mitsuyoshi
渋谷 光義 所属 法学部 法律学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 1996/12 |
形態種別 | 学術雑誌 |
標題 | 「手形の無因性と原因契約未履行の抗弁」 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 法学政治学論究 |
出版社・発行元 | 慶應義塾大学大学院法学研究科内・法学政治学論究刊行会 |
巻・号・頁 | 31号,547-584頁 |
概要 | 出捐行為とその原因(causa)という観点から、手形法17条の人的抗弁対抗の法構造の解明を試みたのが本稿である。無因行為たる手形行為の場合には、「何のために手形行為をするのか」という目的の合意が手形行為の成立要件から捨象され、手形行為の外部に観念される。従って、約束手形の振出の当事者間では、目的の合意の不成立や合意された目的の不到達は手形行為の有効性に影響を及ぼさない。しかし、その場合には、手形債務の「法律上の原因」が欠缺し、振出人の損失において受取人が手形債権を不当に利得することになる。それ故に、受取人の手形金請求に対して、振出人は手形法17条の人的抗弁たる不当利得の抗弁権をもって手形金の支払を拒絶することができる。 |