フダ コウジ
FUDA Koji
布田 功治 所属 経済学部 経済学科 職種 准教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2008 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | タイ金融構造分析:重化学工業化から通貨危機へ |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『歴史と経済』 |
巻・号・頁 | (198),32-48頁 |
概要 | タイ通貨金融危機時の外国為替管理について、事後的には不合理であった固定為替レート制度を、金融不安となったのちもタイ中銀は変動為替レート制度に移行することなく放置してしまった要因を分析する。本稿の分析に基づくと、輸出指向工業化戦略の下で有効であった固定為替レート制度を放棄することは、貿易や直接投資を阻害して経済成長を抑制してしまうリスクが大きく、金融当局者は移行に踏み切れなかった。同時に、中銀内部資料に基づいて、変動為替レート制度移行のタイミングについて金融当局者はIMFにも度々相談していたが、IMFもその適切な時期を示すことができず放置していたという歴史的事実を確認した。また、タイ中銀幹部同士の意思疎通問題も掘り下げ、派閥争いの結果として移行の議論を放置してしまった中銀内部の問題もより詳細に示した。 |