フダ コウジ
FUDA Koji
布田 功治 所属 経済学部 経済学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2008 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | タイ中央銀行の信用秩序維持政策:金融3法改正から通貨危機直前まで |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『アジア研究』 |
巻・号・頁 | 54(4),109-125頁 |
概要 | タイ通貨金融危機の原因ともなったバブル発生に関してタイの金融当局はなぜ防げなかったのかを、信用秩序維持政策に注目して分析した。その結果、発展途上国の直面する貯蓄投資ギャップ問題のうち、とりわけ長期資金調達問題を解決する金融機関として、タイの金融当局は、銀行と異なるノンバンクのファイナンス・カンパニー(FC)に大きく期待したために、FCに対する不動産融資規制を緩めたという論理を示した。ところが、多くの財閥系銀行は系列下にFCを抱えていたため、銀行は系列下のFCを迂回する形で不動産融資を拡大し、結果的にバブル発生へと至ったメカニズムを本稿は示した。加えて、独立系FCと系列下FCを区別することは自由競争を阻害することになるというジレンマの中で、タイの金融当局は財閥系銀行の規制裁定行動に気付きながらも直接的な抑制をできなかったという問題も本稿は明らかにした。 |