オノエ ノリコ
  尾上 典子   経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科   教授
    標題
  「『ファンショー』についての一考察」
    概要
  ホーソーンが匿名で自費出版した処女作『ファンショー』(Fanshawe)は偉大な芸術家ホーソーンの修行時代の未熟な失敗作として一般に解釈されているが、本稿では、ホーソーンが、傑作と見なされる他の多くの彼の作品の中で取り上げているのと共通した主題を既にこの作品の中で明確に提起していることを指摘した。すなわち思索・創造に献身する学者・芸術家と実社会で活躍する実務家的人間 man of businessとの対照が生み出す劇的緊迫がこの作品の主要な要素を成している点についてふれ、ホーソーンが、世俗を超越して自己の世界の誇り高い支配者として悲劇的人生を終えるファンショーと、世の中と密接に関わり合って人生を肯定的に生きるエドワードという2人の登場人物の人間性の両面価値を充分に描き 出していることを論証した。さらに、自ら未亡人の息子として当時の社会の悲惨さを経済的・心理的側面から体験したホーソーンが女性擁護論者の立場からこの作品を描き出している点に特に注目し、彼が、挫折と失敗の中で人間的に成長を遂げる実行力に富んだ「アメリカ娘」の先駆者エレ ン・ラングトンを創造し、彼女に暖かい同情を寄せていることについて考察した。
  単著   『日本経済短期大学紀要』   日本経済短期大学学術研究所   19巻(1号),121-149頁   1988/09

gakumu@asia-u.ac.jp(総合企画部学務課)
〒180-8629 東京都武蔵野市境5-24-10 亜細亜大学
Copyright©Asia university All rights reserved.